女性活躍推進法に基づく一般行動計画 (医療法人白生会)
‹ 次期計画期間 › 令和8年4月1日 ~ 令和13年3月31日
◆課題の整理
過去5年間(令和3~令和8年度)の分析から、以下の課題が明らかとなった。
① 有給休暇取得率の業種間格差の固定化
・医師・看護・介護・事務など、雇用管理区分別の取得率に大きな差が継続。
・看護・介護部門は慢性的な人員逼迫、業務の属人化により休暇取得が困難。
・事務部門は紙カルテ運用による煩雑な作業で残業が増え、有休取得が停滞。
② 労働者数の減少・平均年齢の上昇
・全体として労働力不足の状況が続き、新しい業務改善を進める余力が不足。
③ 医療DX化への対応不足
・一部施設で電子カルテ導入を試行しているが、法人全体の体制は未整備。
・PC操作への習熟不足・データ連携・業務見直しが不十分で、DX効果が限定的。
④ 業務プロセスの属人性が高い
・看護・介護はタスクシェアリングが十分進まず、代替要員不足が課題。
・事務部門は紙運用のため作業負担が大きく、残業増 → 有休取得を阻害。
◆総合目標
(1)5年後(令和13年度末)に法人全体の電子カルテ導入を完了し、DX化による業務効率化を実現する。
①電子カルテ導入に向けた5年間のステップを明確化
➁ICT研修を体系化し、職員全体のスキル底上げ
③業務マニュアルの電子化、紙運用の廃止へ段階的に移行
(2)**有給休暇「取得率50%以上」の職員割合を50%以上へ引き上げる。
(前期:取得率50%以上の職員は25% → ★5年後に50%以上を目指す)**
①看護・介護・事務部門など低取得率の部署を重点支援
➁DX化による業務削減を有給休暇創出に結びつける
③タスクシェアリング・業務棚卸しによる負担分散を行う
◆計 画
1.令和8年4月1日~令和9年3月31日
DX化の現状把握と電子カルテ導入に向けた基礎調査
●主な実施項目
①法人全体のICT環境(端末・ネットワーク・セキュリティ)調査
➁紙カルテ運用の業務量・残業量の測定
③有給休暇取得率の継続集計
④部署ごとの業務棚卸し(看護・介護・事務中心)
⑤電子カルテ導入のロードマップ作成
●目的
・電子カルテ導入時の課題と設備不足を可視化
・部署間の業務量の格差を把握
・有休取得率向上のための“阻害因子”を抽出
2.令和9年4月1日~令和10年3月31日
業務改善とタスクシェアリングの試行開始
●主な実施項目
①事務作業の標準化(紙書類削減・保管方法見直し)
➁看護・介護部門のタスクシェア開始(記録の簡素化、周辺業務の整理)
③ICT研修(PC基礎・電子化に向けた教育)
④各部署での電子記録類の簡易デジタル化(記録アプリ、スキャン導入)
⑤有給取得の阻害要因改善策を部署ごとに具体化
●目的
・DX導入前の業務軽減を先行して進める
・看護・介護の属人化を緩和し、休暇を取りやすい勤務体制に近づける
3.令和10年4月1日~令和11年3月31日
電子カルテ導入準備と段階的なDX化推進
●主な実施項目
①電子カルテ製品の選定・見積・仕様調整
➁サーバー・ネットワークなど基盤整備
③現行紙カルテのデータ移行に関する考察(スキャン計画作成等)
④各部署での「電子化前提の業務プロセス設計」
⑤ICT研修のレベルアップ(電子カルテ操作想定演習)
●目的
・令和11年度の導入に向けた環境整備
・電子カルテによる効果(残業削減・有休創出)を最大化できるよう業務改善
4.令和11年4月1日~令和12年3月31日
電子カルテの試験導入(先行施設)と効果検証
●主な実施項目
①透析クリニックでの電子カルテデモ等依頼
➁操作習熟者支援(スーパーユーザー、院内指導者育成)
③稼働後の残業時間・業務時間の変化を計測
④有給休暇取得率の変化分析
⑤DX化後のグループ内他事業所への影響考察
●目的
・DX導入が「業務の効率化」「休暇取得の促進」に直結するかを検証
・課題を洗い出し導入による法人全体への影響を考察
5.令和12年4月1日~令和13年3月31日
法人全体の電子カルテ導入完了と有給休暇取得率向上の総仕上げ
●主な実施項目
①クリニックでの電子カルテ導入完了
➁紙カルテ完全撤廃(保管・スキャンを含む)
③電子カルテに合わせた業務プロセスの徹底見直し
④有給休暇取得率50%以上の職員が50%以上となるよう人員配置調整
⑤5年間の総括と次期計画の作成
●目的
・DX化で業務時間を削減し、休暇取得増加に反映
‹ 計画期間 › 令和3年4月1日 ~ 令和8年3月31日
◆ 課 題
| ◆前5年間の問題点として、法人全体の有給休暇取得率は上昇したが、雇用管理区分別(業種別)のばらつきが大きく、多少の不公平感も感じられる。 |
◆ 目 標
| ◆職種により必要人数の確保状況にも差異はあるが、低取得率の業種の底上げを図りたい。現在は、全体の74%が、有給取得率50%以下であるため、有給を50%以上とれる環境を整え、取得率50%以上の職員を50%以上にしたい。 |
◆ 計 画
1.令和3年4月1日~令和4年3月31日
事業所別雇用管理区分別の有給休暇取得状況の把握と分析
2.令和4年4月1日~令和5年3月31日
有給休暇取得に関する意見募集と問題点の洗い出し
3.令和5年4月1日~令和6年3月31日
各事業所の問題点に対する改善項目の検討
4.令和6年4月1日~令和7年3月31日
各事業所代表者による法人全体会議の開催と改善項目の可否
5.令和7年4月1日~令和8年3月31日
改善項目(修正後)の実行と取得状況の再調査
◆ 情報公開
| ◎職業と家庭の両立に資する雇用環境の整備 ※令和3~6年度分比較(令和8年3月更新) |
‹雇用管理区分別有給休暇取得率›
| 雇用管理区分別 | 有給休暇取得率 | |||
| (業務別) | 令和6年度 | 5年度 | 4年度 | 3年度 |
| 医師・薬剤師 | 30.9% | 31.0% | 31.8% | 35.8% |
| 看護部門 | 28.2% | 27.0% | 26.8% | 25.5% |
| 技術系部門 | 34.5% | 34.2% | 34.3% | 29.0% |
| 介護部門 | 26.6% | 25.8% | 24.6% | 28.8% |
| 事務部門 | 25.5% | 26.5% | 35.4% | 25.6% |
| 管理部門 | 21.0% | 22.5% | 20.0% | 20.0% |
| 相談支援部門 | 30.4% | 33.5% | 37.0% | 34.5% |
| その他 | 20.0% | 26.0% | 15.0% | 15.0% |
| 法人全体 | 28.3% | 29.2% | 28.7% | 27.3% |
| 取得率50%以上の割合 | 25.0% | 26.0% | 25.0% | 21.0% |
| ・月平均残業時間 | 1.96時間 | 1.88時間 | 1.50時間 | 1.67時間 |
| ・育児休業取得率 (平均取得時間) | 100% (365日) | 100% (365日) | 100% (365日) | 100% (365日) |
| ・育休取得人数・性別 | ・女性1名 | ・女性1名 | ・女性2名 | ・女性2名 |
| ・採用者の女性割合 | 100.0% | 100.0% | 85.0% | 80.0% |
| ・係長級に占める女性割合 | 75.0% | 75.0% | 75.0% | 75.0% |
| ・管理職に占める女性割合 | 60.5% | 60.5% | 54.5% | 54.5% |
| ・役員に占める女性割合 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
◆ 検 討 項 目
1.令和3年4月1日~令和4年3月31日
事業所別雇用管理区分別の有給休暇取得状況の把握と分析
令和元年分より、有給休暇取得率等を年単位で比較検討している。多少のバラつきはあるものの、同じような割合で推移している。
2.令和4年4月1日~令和5年3月31日
有給休暇取得に関する意見募集と問題点の洗い出し
部署別に有給取得状況を確認すると、契約形態の違いや退職時の有休消化などにより部署内でも有給取得率には開きが見られた。各部署ともスタッフ数がギリギリで業務を行っているため、有休取得には業務とのバランスが重要課題であるという意見が多かった。特に患者自体に接する時間の多い、看護部門・介護部門においては、有休取得50%はなかなか難しいのが現実である。また、昨今の新型コロナ感染症蔓延により、スタッフの感染や業務可能なスタッフの不足が顕著で、業務継続がやっとの状況でもあった。
3.令和5年4月1日~令和6年3月31日
各事業所の問題点に対する改善項目の検討
令和5年後半は、ようやく新型コロナ感染が終息の兆しを見せ始め、職員の感染も落ち着いてきている。今後は、看護介護部門の業務内容の見直しと他職種へのタスクシェアリングを検討して、業務内容の改善と部署内外の有休取得率格差是正にむけた取り組みを考えなければならないと思われる。
4.令和6年4月1日~令和7年3月31日
各事業所代表者による法人全体会議の開催と改善項目の可否
令和7年2月に、法人各事業所の代表者による全体会議を開催し、改善項目を検討したところ、法人全体的に労働者数の減少と平均年齢の上昇という現状もあり、今以上の有給休暇の取得率向上は難しいとの見解が多かった。特に、医療機関の事務部門においては、いまだ紙カルテ体制のため、伝票整理やカルテ移動に手間がかかり、残業時間は増加傾向にあり、なかなか有休取得を増やすことがむずかしい。看護介護部門のタスクシェアリング等に関しても、全体的な労働者不足もありなかなか進めづらい。ただ、将来的には、医療・介護のDX化も政府指導で進行していくと思われるため、そのような状況が進めば、労働者の業務の効率化や業務量自体を減少させ有休取得を増やせることも可能になるのではと考える。今後は、それを見据えた労働環境の整備や新しい知識の習得が必要になってくるだろう。という結論だった。
5.令和7年4月1日~令和8年3月31日
事業所別雇用管理区分別の有給休暇取得状況の把握と分析
令和7年度は、法人の一施設に電子カルテが導入され、最初は慣れないPCのため残業時間もが多少増加したが、稼働状況が安定するに連れそれも徐々に減少しつつある。電子カテ化による業務の効率化と労務軽減や労働時間短縮には、PC業務への慣れや習熟も必要となるため、DX化・電子カルテ化による有休取得率の向上に関しては、もう少し時間がかかると思われるため、更なる経過観察と調査継続が必要である。
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